#80
秋が来たらもうあっという間
2024.09.27
- 「秋の日はつるべ落とし」ということわざがある。他の季節に比べて秋は急速に日が暮れ、まるで井戸の釣瓶(つるべ)が落ちるかのようであるという意味だ。9月も終わりが近づいたある日の夕方、ぼくは駅から自宅へと歩いている途中だった。まだまだ残暑は厳しいものの、夜の訪れが早まっているのを日々肌で感じる。
そして9月を過ぎたらもうあっという間に年末に到達してしまうというのが例年の体感だ。それこそ釣瓶(つるべ)落としのごとく。今年の残りは暦の上であと3か月ほどあるはずだが、うっかりしていると気付いたら正月を迎えていた、なんてことになりかねない。
やや時期尚早な気もするが、今年のことをふと振り返ってみることにする。ぼくにとって、今年は一体どんな年だっただろうか。そういえば今年の始まりには1年の目標を何か掲げたような気もするが、それが一体何だったのか今となっては思い出せない。はたしてぼくは何かを達成しただろうか? それとも特に成長もなく、ただ漫然と過ごしてしまっていただけだろうか?
- 男
- そこのあなた、日々をただ漫然と過ごしていませんか??
- とある探偵
- !?
- 突如として現れた見知らぬ男に話しかけられ、思わずのけぞる。パーカーを羽織ったややカジュアルな服装の男は、暑苦しいまでの営業スマイルをこちらにニコニコと向けている。
- 男
- まぁまずは、こちらの謎でも解いてみてください!
- とある探偵
- いきなり何なんですか!?
- 男
- まぁまぁ、いいからいいから
捜査を開始する