


#60
執念の連続おみくじ
2023.01.27
- 2023年を迎えてから既に結構な日数が経過したが、いまだに正月ボケの抜けきらないぼくは、家のコタツで正月番組の録画なんかを見ている。年末年始も、わざわざ混雑したところに行く気にはなれなかったので初詣にも初売りにも行かず、ただただ暖かい自宅でのんびりとした生活を送っていた。最近した外出と言えば、近所のコンビニとスーパーマーケットくらいである。このぬくぬくとした快適さの中で、やがてぼくの体はコタツに完全に接着され、コタツ人間としてこのまま一生をここで過ごすことに……
ハッとして目が覚めると、ぼくはコタツの中で汗びっしょりになっていた。嫌な夢を見たものだ。さすがにこの生活を延々と続けるのはなんだかヤバそうだと感じたぼくは、さっき寝落ちする直前にテレビ番組で紹介されていた、とある神社へお参り行って気分を切り替えることにした。もう今の時期ならあまり混んでいないかもしれない。
その神社は、家から電車で数駅のところにある。到着すると、元日からはだいぶ日が経っているにも関わらずそれなりに人で賑わっていた。まずは手水舎で身を清め、お賽銭を投げて願掛けをし、そしておみくじを引いてみることにした。
なんでも、この神社は一風変わったおみくじがあるらしい。一般的には「吉」や「凶」などの運勢が書いてあるものだが、ここのおみくじは「恋愛」「受験」「家族」など、「今年その人にとって良い事柄」が“謎解き”で示されているらしい。
境内の隅にあったおみくじ箱を発見したぼくは、早速100円を投入し、1つ引いてみた。封を開けると、噂通りそこには謎が書かれていた。
捜査を開始する