事件!謎

ここはとある探偵事務所。

ここでは時々おかしな捜査依頼がやってくる。解決するには、優秀な団員力・ヒラメキとトキメキが必要だ。

#73
ミステリ古書店の事件簿
2024.02.23

最近、ちょっと古本屋にハマっている。何かのついでに小さな個人経営の古本屋を見かけたら、フラっと立ち寄って1~2冊買ってしまうのだ。もちろん駅前にあるような大きな書店も好きなのだが、こぢんまりとした店舗ならではのこだわりが感じられる品揃(ぞろ)えや、棚にずらっと並べられた多種多様な背表紙の感じ、年季の入った店内の香りなども相まってついつい心惹(ひ)かれてしまうのだ。おそらく本好きであろう店主との、会計時に生まれるちょっとしたコミュニケーションもまた良い。
ある日の昼、仕事で初めて訪れた街をなんとなくぶらついていると、「ミステリ古書店」という看板が目に入った。近付いて店構えを観察してみると、どうやらミステリジャンル専門の古本屋のようだ。次の仕事の予定がせまっていたのであまり長居はできなかったが、せっかくなので数分だけお邪魔させていただき、そこでぱっと目に付いた文庫本を1冊購入した。
仕事を終え家に帰ってから、さっそく昼間に買った推理小説を読み始めることにした。知らない作家の知らない小説だったが、とても読みやすくぐいぐい引き込まれる文体で、あっという間に全体の三分の一くらいまで読み進めてしまった。さて次のページをと紙をめくったところで、小さな紙の切れ端が挟んであることに気付いた。レシートやしおりなど、前の持ち主の痕跡が残っていることは古本にはまぁまぁよくあることだ。その切れ端を手に取ってよくよく見てみたところ、何やら謎解きのようなものが描かれていたのだった。

捜査を開始する

とある探偵


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