#89
ここはどこ? わたしはだれ?
2025.06.27
- 気がつくと、見覚えのない町にいた。石畳が続く道の真ん中にぼくは立っており、家のような建物が連なっているが明かりはどこもついていない。やや暗い空の色からして時刻はまだ明け方といったところだろうか、人通りもほとんどない。
何故ぼくはこんなところにいるんだろうか。まだ少し意識は朦朧(もうろう)としていて、少し頭を締めつけられるような感覚もある。意識を取り戻す前のことがなんだか思い出せず、不思議な感覚だ。さっきまで一体ぼくはどこで何をしていたのだろう。
向こうから1人、若い男性が歩いてくる。見た目からして日本人ではなさそうだが、彼に話しかけてみたら、ここがどこなのか何かヒントが得られるかもしれない。
- とある探偵
- すみません、お時間よろしいですか?
- 男
- 君は、この町に初めて来たのかい?
- 予想外の流暢(りゅうちょう)な日本語に面食らう。
- とある探偵
- ……? はい、そうですけど……
- 男
- お近付きのしるしに良いものをあげよう。まずはこの謎を解いてくれ
- 突然何を言いだすんだこの男は。ぼくが怪訝(けげん)な顔をしているのも構わず、男は謎が書かれたパネルをこちらに見せてきた。
捜査を開始する