#94
数字をつぶやくヘンな集団
2025.11.28
- 11月もすっかり下旬。街はもう年末ムードに染まり始めていた。街路樹には早くもイルミネーションが仕込まれ、商店街には「歳末大感謝セール!」の旗が風になびいている。コートの襟を立てながら歩く人たちの息が、白く揺れる。この季節の空気が、ぼくは嫌いじゃない。事件が減るわけでも依頼が増えるわけでもないけれど、なんとなく街全体が少しだけ優しくなる気がするのだ。
とはいえ、寒い。ポケットの中で手を温めながら歩いていると、少し先の通りに妙な集団がいた。10人ほどの男女が、みなで地面を見つめている。しかも、全員がなにやらブツブツと唱えている。
- 男
- 12……
- 女
- 14か……
- 一見すると儀式のようだが、声のトーンはどこか楽しげだ。
ぼくは興味をそそられ、つい近付いて声をかけた。
- とある探偵
- すみません、みなさん何をされてるんです?
- その中の1人、眼鏡をかけた青年がこちらを振り向いた。
- 青年
- あ、こんにちは。えっと、これをどうぞ
- 彼はそう言って、1枚の紙を差し出した。見てみると、そこには何やら記号やイラストが並んでいる。
- とある探偵
- え、謎解きですか?
- 青年
- はい。ぜひ解いてみてください
捜査を開始する